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おめでとう!

当院通院中の方が、先日難関の試験を突破して晴れて
かっこいい資格を取得されました。

ホントによく頑張られました。 えらい!!

「自分みたいに調子が悪かった人間でも、こんな風に元気になれた」
「誰かのお役に立てたら嬉しいから、ブログに掲載して下さい」と
有難いお申し出をくださりました。

そこで、お礼を兼ねて本日はその方の病歴をご紹介します。


発病は、8年前。
私が最初にお目にかかったのは、7年前。
まだ、私が開業する前の話です。

とある待合室の長イスに、これ以上ないくらいしんどそうな表情をして、
その方は横たわっていました。

診察した私は、7年後も主治医をしているだろうとは
想像していませんでした。

何度も深いうつに落ちてゆきました。

良くなって、安心していた時もありました。
でも、何度も急に崩れてしまいました。

薬も一杯飲みました。大半の薬は試しました。

何度も、診断書が発行されました。何度も、諦めそうになりました。
自暴自棄の時もありました。メチャクチャな時もありましたネ。

職場は退職せざるを得なくなりました。
自己嫌悪は、ひどかったです。

吹っ切れたかな、と思っていても、ゆり戻しが来ました。
やっぱり、自分は絶対治らないと思ったことも、あろうかと思います。

誰にも自分の気持ちはわかってもらえないと思ったことも、ありました。

後ろ向きなことも、随分とやっちゃいました。


それが、去年頃から、でしょうか。
段々と、自分の人生の流れの中で病気を捉えることが出来るようになりました。

封印していた感情。

とうとう、封を切った時も、自分の行動をとても後悔してましたネ。

でも、未処理だった感情が、少しずつ消化されていきました。
表情は、自然になってきました。

うつと付き合って8年。

家族の大切さが、今はよく分かる。
頭で考えるだけでなく、心でそれを感じ取ることが出来る。

自分の夢が、出来た。
目標をもって、チャレンジしてみた。

まさか試験にパスするなんて。
でも、現実なんだ。

私は、医師になってお陰さまで19年たちましたが、転勤も多かったので
自分の経歴上では最も長くお付き合いさせていただいている方のお一人です。

何度もハラハラしましたが、それだけにとりわけ大きな学びがあります。

よく、私をクビにしなかったなあ。 えらい!

これまでで、今が一番良い状態です。肩の力が、大分抜けました。
表情や雰囲気も、何かこう、うるおいが出てきたといいいますか。

これからも少しずつ、出来ることから無理をせずやってゆこうね。

本当に有難う!
by shin710Y | 2009-05-25 20:56 | 診察風景
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