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石の上にも3年

「もうちょっと、自分を好きになれるといいんだけどね」
つまらん精神科医が、こんなことを診察中に独り言のようにつぶやいたりします。

自分には、何にもいいところがない。
このように患者さんが主張します。
自分のことが、嫌いなんですね。

冒頭のセリフを聞かされて、「ああ、そうだったんだ。なるほど」と
得心してくれた患者さんを、私が見たことがあっただろうか。

よく考えてみれば、カウンセリングというものは、嫌っている自分を
好きになる取り組みと言えるでしょう。

何度でも、「自分はダメ」という気持ちを感じてゆけば、
いつかは前に踏み出せるようです。「ま、それでもいいか」という風に。
しかし、自分へのダメ出しは一種の放送禁止用語なので、封印されがちです。

「自分はダメ」と表現すると、まずい。
表現せずにおくと、苦しい。
結局、ドカーンと表現されたりして、ますます自己嫌悪に。

診察中には、いろいろな放送禁止用語が飛びかっています。
〇〇分・1本勝負みたいな感じです。

さて、ある方の場合。
自己嫌悪のオーラが立ちのぼり、「この先、どうなるんだろうか?」と
いうような状態でしたが、
3年たって随分変わられました。

「自分が好き」とまでは行かないでも、自己嫌悪は語られなくなりました。
周囲との関係も、随分と良くなっています。

ご本人の努力と、周囲の方々の支えのおかげです。

健康な自分(お日様)のまわりにこびりついていた、
病気の自分(雲や雨)が削げ落ちてきて、
中からお日様の光がポカポカと差してきました。

石の上にも3年ですなあ。もうじき春だなあ。
by shin710Y | 2008-03-07 13:50 | こころの健康
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