「ある人との関係が、自分にとって非常に辛く、
吐き気がして困るんです。」
お聞きしてみると、過去において、別の人との関係で
長らく苦しみぬいて、その時の苦悩や恐怖が吐き気という形で
一緒になって噴出してきているようでした。
私「日本語では、心理的なことが体の症状を引き起こすことを、
色々と表現するフレーズがありますね。
例えば、『ムカつく奴だ』とか、『吐き捨てるように言う』とか。
ストレスを感じる人物や事柄に対して、文字通り吐き気を催すことが
表現されていると思います。
他にも、『断腸の思い』 『片腹痛い』 『腹を割って話す』って具合に、
感情とお腹との関連を示す言葉が多いと思います。」
私の続き:
「何か不純なものが体にたまると、体はそれを外に出したくなります。
食あたりや二日酔いは、その例でしょう。不純なものは、出さないと
体に悪いですよね。
感情的なしこりも、溜め込むと良くないです。それが、吐き気になって
いる可能性がありますね。
だとしたら、吐き気があるからと言って単に吐き気止めで症状を
押さえ込むだけでは、よくないかもしれない。
ひどい吐き気はある程度薬で楽にしないといけないけど、吐き気を
そのまま感じてみてあげることも必要かもしれないです。」
生理的な現象は、出来ることなら、自然に任せてみる。
例えば、睡眠不足であくびが出るのなら、出したほうが頭は少しスッキリする。
あくびを我慢したら、不発弾で気持ち悪い。
眠気を催す授業中は、先生に見つからないように巧妙にあくびをすればよい。
事情が許すなら、自然現象は自然任せがよいのではないか。
頭で色々考えるだけではなく、母なる自然にわが身を委ねてみるという発想も
大切なのではないでしょうか。
・・・てなことを、診察中にお話することがあります。如何でしょうか?