<   2007年 09月 ( 5 )   > この月の画像一覧

神話の世界

ジョーゼフ・キャンベルという、故人となった神話学者がいます。
彼によれば、英雄の行動パターンはいつも同じだそうです。

英雄は、①旅立ち、②成し遂げ、③そして生還する。

あまりにも同じパターンであるため、まるで同一人物が、色々な神話に繰り返し登場しているようだ、とのことです。ちなみに、英雄が英雄たる所以(ゆえん)は、常人には成し遂げられない困難なことを成し遂げることです。

来院される方の悩みも、ある意味この話に共通しています。

たくさんの方が、同じような悩みをもたれています。病名や年齢などによって、悩みは種々様々ではあるのですが、悩みの基本構造はほぼ一致しています。

簡単に言うと、「押してもダメ、引いてもダメ。どっちも苦しい」というのが悩みの構造です。こういうのを、「葛藤」と表現しています。その点、皆さんあまりにも一致しているので、まるで同じ人が色々な仮面をつけて来院されているかの如く感じることがあります。

回復されてゆく行程も、大体一緒です。
あたかも、未解決の葛藤という大きな問題に向かって①旅立ち、②成し遂げ、③そして生還する、という道のりです。

これは苦しい道のりで、特に②の部分がヤマ場です。でも、乗り越えた時には本当に「生還」した、という感じになります。大変ですけど、歩いて行けるといいですね。

今日は最後に、ローリング・ストーンズの歌詞の1フレーズで締めくくってみたいと思います。一歩一歩、自分のペースで進んでいこうよ、ということです。

“I’m gonna walk before they make me run.”
[PR]
by shin710Y | 2007-09-29 18:38 | こころの健康

旅立ち

1年以上通院されていた方が、苦境を乗り越え、このたびめでたく遠い都会の街に旅立って
ゆかれました。

「今日が最後の診察です」と、これまでのことを感無量の思いで語ってくださいました。
私も感無量になりました。

一見、何の改善も変化もない診察の繰り返しでしたが、その方は自分を見つめ、自分と向き合っていました。自分の中の「あってはならない自分」と正面からぶつかり合い、自分が苦しむパターンを次第に客観視してゆかれました。

その中で、いろいろな気付きが得られたそうです。

治療経過中、かえって悪化してどん底の状態で呻吟されていた時期もありました。私にとっても正念場といえました。その頃は、その方の視野が広がって、「あってはならない自分」のことがはっきりと見え過ぎていたのだと思います。苦しかったと思います。

でも、そこから這い上がってゆかれて、次第に雰囲気が軽くなっていかれました。徐々に行動的になられて、あれよあれよと事態は進展し、今回の旅立ちに結実しました。

本人さんも自覚されているように、まだ「完全復活」ではありません。不安材料を残しています。いろいろ大変なことも待ち構えているのでしょう。

だけど、まあ何とかなるのではなかろうか。そんな気がします。
遠方になってしまいましたが、今後の幸運を祈らずにはいられません。Congratulations!

その方から学んだことは、数え切れません。人間の本質を見た気がします。とっても純粋に悩んでおられました。「悩み方の王道を行く」ような、苦悩でした。「とっても正しい悩み方」とでも表現できます。このブログで何回も取り上げましたように、マイナスの自分と向き合う作業であり、完膚なき自己否定です。言葉では言い表せない苦悩があったことと拝察しますが、極めて実り多い作業だったと思います。

これがあるから、この仕事はやめられません。私みたいな人間に、よくぞ付いてきて下さったと思います。

有難うございました。どうぞお元気で!
でも、頑張り過ぎないようにね!

オイラはこれからも岡山の地で、やって行くかな!
[PR]
by shin710Y | 2007-09-22 17:46 | クリニックの様子

午前の混雑状況と、当院からのお願い

当院をご利用された方には、職員一同平素より感謝しております。
本日は、午前に来院された方の受付時刻の状況をご報告します(午後は、予約制です)。

受付時刻は、最初の9時台にやや多く、10時前後に最小になります。そして、11時以降に再び増加する傾向があります。

以前からでしたが、10時前後(ないしは、その頃まで)は空いているにもかかわらず、遅めに来院される方が集中して、午前の部が午後2時頃までかかることがあります。朝一番から切れ目無く診察が続く日は、平日でもたまに運悪く最長2時間待ちになる方がいらっしゃいます。ただし、毎日そんなには混雑しておりません(そこまでは、繁盛してないんですね)。

最近、午後2時前後まで診療して、その後雑用をしながら私が昼食を10分でかき込んで午後の診察に突入する状況が多々見られるようになって来ました。
日本の医師の置かれた状況からすると贅沢な悩みかも知れないのですが、さすがに1週間を通してこの状態ですと、コンディション維持に問題が生じます。

そこで今回、このような状況と私からのお願いを発信させていただくこととしました。

大変勝手を申しますが、もしスケジュール的に可能なようでしたら、もう少しお早めに来院していただければ助かります。

今後、午後だけでなく午前も予約制にさせていただく可能性もございますが、午前だけはこれまで通り予約制にしないで下さいと希望される方がいらっしゃいまして、当面は現体制を維持します。急に不調となった方のために、または調子の悪い方が毎日でも来院されやすいようにと、飛び入りOKの現システムをとらせていただいております。

ご理解の程、何卒よろしくお願い致します。
[PR]
by shin710Y | 2007-09-15 13:01 | クリニックの様子

腰痛その2

腰痛対策に、水泳は、なかなかいいです。
患者さんの体験談で、教えてもらいました。

私も、この夏久しぶりに海水浴に行って泳ぎましたが、
1回の水泳で腰痛がピタリと消えました。
嬉しくなって、もう1回泳ぎに行きました。

念のため申し添えますと、ポイントは、しっかりと水の中で泳ぐことです。
日頃、目が泳いでいるだけでは、いけません・・・・・。

つまらんですね。寒かったでしょう。まだ、残暑厳しいというのに。

なお、腰痛の原因は色々です。
ご心配な方は、整形外科でひとまずしっかりと診断を受けられることをお勧めします。
[PR]
by shin710Y | 2007-09-07 19:31 | 日記

「励まさないで」とはいうものの

「落ち込んでいる人は、下手に励まさないほうがいい」
「うつ病の人を、『頑張れ』といって励ましてはいけない」
人口に膾炙した言葉です。
その通りだと思います。

しかし、本当に励ましてはいけないのでしょうか。
「頑張れ」という励まし方ではなく、別の励まし方がないものでしょうか。

励ますという言葉の意味は、辞書「大辞泉」によれば、「元気や勇気を出すように力づける」ことです。相手を、現在の状態からパワーアップさせることです。

こちらの意見を押し付けてパワーダウンさせるのではなく、相手にとって本当に励ましになる言葉というものはないものか。あるいは、そういう接し方はないか。

「頑張れ」という言葉には、「あなたはより一層努力すべきであり、今のあなたの努力では不十分だ」という非難の意味が含まれる場合があると思います。

非難は、相手を叩くことです。打ちのめすことによって、相手を元気付けることは難しいでしょう。発奮して、頑張る人もいるとは思いますが、いつもそうとは限りません。
タフな人、モチベーションが高い人には、いいかも知れません。
でも、半か丁か、一発ギャンブルです。
元気な状態の時にはうまく作用するかもしれませんが、少なくとも意気消沈している人にはちょっと酷な話ではなかろうか、と。

非難ではなくて、「良く頑張ってるね。良く頑張ったね」という、賞賛やねぎらい。

「良く頑張ってくれて、有難う」という、感謝。

「辛くて大変だったね」という、いたわり。

いつも、こんな風には、出来ませんね。
でも、自分が頑張ったのにうまく行かず、疲れて落ち込んだときのことを想像してみましょう。
どう言ってもらったら嬉しいでしょうか。良かれと思って、相手を傷つけてしまうことは、よくあることです。お互い様、です。でも、段々と上達出来ると思います。

実は、一番大切なのは、ただ相手の話を聴いてゆくことです。なかなか難しいことです。
言葉がけは、その次です。

診察では、お話をお聴きすることを重視しております。しかし、時間が足りなくなって半(?)強制終了になることもございます。診療時間という、来院された皆様の共有財産を最大限活用させていただくよう、これからも努力を続けてまいります。
[PR]
by shin710Y | 2007-09-01 19:15 | こころの健康