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本年のお礼に代えて

今年も色々とございましたが、皆様のお陰をもちまして
本日本年最後の診療日を終えることが出来ました。

このブログは不特定多数(少数?中くらい?)の方を
対象に書いておりますので、ある方にはピタッと当てはまる
内容であったとしても、別の方には全く当てはまらないことも
あろうかと思っています。

病状一つとっても、調子のよい方もいらっしゃれば、
今は厳しい状況にある方もあり、色々な配慮も必要となりますので
書き起こす時には慎重に言葉を選ぶようにしています。

私の性格としては、軽口を叩いているのが好きなのですが、
世相も厳しいですので今年最後のブログを
真面目に締めくくらせていただこうと思います。

診察中に、時々次のようなご質問を頂戴します。

「先生の診てこられた患者さんで、良くなるまでに
長い人だとどの位の期間がかかっておられますか?」

この質問をされる方は、まだまだ自分としては良くなるまでに
かなり時間がかかりそうで、その目途が立たなくなっている場合が
多いです。

病気の種類にもよりますので、ここでは昨今増加した
うつ病に限ってお答えしますと、本当に良くなるまでに
数年以上かかっている人がおられます。

と、このようにお答えすると、

「あの先生に診てもらっていると、良くなるまでに
そんな気の遠くなるような時間がかかってしまうのか」と
患者さんの周囲で非常に不安になられた方もいらしたようです。

私自身は平凡な医者ですし、実際のところ
どちらの病院や診療所でも似たような状況にあるのですが。

もう一つ補足しますと、もっと短期間で改善する方のほうが
比率からするとずっと多いです。

人様と自分とを比較しても、あまり意味のないことかも
しれません。

何はともあれ、「自分は本当に良くなるのだろうか?」と
不安で一杯の方もいらっしゃることでしょう。

そこで、つい先日以前の患者さんからいただいたお手紙の
内容を、ご参考までにご紹介いたします。
当然ながら、ご本人のプライバシーの関係で、どなたのことか
全く分からないようにしております。

「早いもので、うつ病を患ってから、もうすぐ〇年になります。
現在は、病気ももうかなり良くなっております。

予想以上に回復に時間がかかりました。

うつ病は、とんでもなく辛く苦しい病気ですが、その病気を
患ったのは、きっと何か理由があるのでしょう。

人生で、無駄なことなんてないんじゃないかな、と、
今は思えます。

やっと、そう思えるようになってきました。

これも、家族や周囲の支えてくれた人達のおかげだと
思います。

これから一層寒さが厳しくなりますが、皆様におかれましても
お身体ご自愛ください」

実は、これよりもさらに素晴らしい文章を前後にちりばめて
くださっておりまして、本当は全文をそのままご紹介したいのですが、
個人情報が漏れてしまいますので割愛しています。
私と職員だけで、堪能いたしました。

こんなお手紙をいただけるなんて、
私どもにとりましては最高のクリスマス・プレゼントです。

来年が、皆様にとりまして素晴らしい年となりますよう
祈念いたしまして、今年最後のブログを終了させていただきます。
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by shin710Y | 2009-12-28 23:36 | クリニックの様子

自分は間違っているのか?

あなたは、ある日おいしい食事をしました。
野菜、お肉、ごはん。その他。
それぞれ担当の料理人が、腕を振るった自信作。
デザートもついていて、しっかりいただきました。
ああ、おいしかったナ。

でも、そのあとが大変でした。
どうも、食べ合わせが悪かったみたい。
一品一品は、それぞれ素敵な料理だったんだけど。

なんだか、胃がもたれます。ううー、苦しいな。
その日は結局一日、スッキリしませんでした。
食べ合わせの悪い物を消化してゆくことは
大変です。

一つ一つは自然の素材の料理であっても、
色々と混ぜ合わさってしまうと
処理が大変になります。
色々なpHの胃液が出て来て、胃の中が
ごった返してしまう。

ところで話しは変わりますが、
自分の感情を処理しきれないことがないでしょうか。

例えば。

ある人に、いいことがあったんだって。
いいなァ。
喜ばしいことだと思う。
羨ましいとも思う。
その人と比較してみると、自分のことが正直悲しくもある。
情けないし。
その他、まだ別の感情が湧いてくるかもしれない。
全部あわせると、色んな感情が湧いてきた。
それで、こんがらがってしまった。
全然スッキリしない。

自分は、おかしいのだろうか?
自分が間違っているのだろうか?

ここにあげた一つ一つの感情それ自体は、
全部自然な感情だと偉い人が言いました。
良かったですね。
別に恥ずかしいことでも何でもないですし、
ましてや異常心理などとは違うと思います。

何故って。
羨ましいものは、羨ましい。
悲しいものは、悲しい。
そんな風に、感じているのだから、仕方ない。

例えば、背中に棘(とげ)が刺さっていたら。
痛いです。痛いものは、痛いです。
手を蚊に刺されたら。
痒(かゆ)いです。痒いものは、痒いです。

すべて自然現象です。
勝手に、オートマチックに浮かんでくる感覚です。

棘が刺さって痛がっている人や、蚊にかまれて痒がっている人を見て、
「アイツは異常だ」と思う人がいるでしょうか。
痛いとか痒いとかいう身体感覚は、身体感覚にすぎず、
良いとか悪いとかの価値判断は下されない。

ところが、悲しいとか、羨ましいとか感じることは、
みっともないことであると考えられがちです。
そういう価値判断が下される場合が少なくないのでは
ないでしょうか。
感情は感情に過ぎないのですが、感情には悪いイメージが
つきまとっています。
「感情的になる」という言葉自体が、感情を問題視しています。

心理学の世界では、感情にはもともと良いも悪いもないと
いうことになっているようです。
自然な感情があるに過ぎません。

ただ、いくら一つ一つは自然な感情だとしても、
それが同時に発生してごった返していたら。
なかなか、消化しきれないでしょう。

自分は何も間違っていないとしても、
それでも苦しいことがあるということです。
今、自分が苦しんでいるということは、恥ずかしいことでも
なければ、間違っているのでもない。

要は、バランスです。
自分に厳しく、背筋を伸ばしてシャキッとしてみるのは
素晴らしいことです。
イヨ!大統領!!
と同時に、自分に優しく、自分をよく理解してあげることも
大切です。
両方兼ね備えてゆくことが、「強くなる」という意味では
ないでしょうか。

今年もあとわずか。
皆様のお陰をもちまして、今日まで過ごして参りました。
ブログの更新は不定期ですが、お手すきの時にでも
是非ご覧下さい。
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by shin710Y | 2009-12-18 20:50 | こころの健康