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診察の進め方

当院では2,3分の診療で終わることは非常に少ないです。

ある程度診察時間をかけた方が、その後の経過が
良いというデータがあります。
薬を止めた後の再発率も低くなります。

もちろん、反対の立場もあります。

受診される方が多ければ多いほど、診察時間が反比例して
短縮化するのは理の当然です。
私も勤務医時代には、非常に苦労していました。
マジックは使えません。

ちなみに現在の当院の診察時間は、目安は15分以内です。

患者さんも色々とお話になりたいことがあるでしょう。
私からの説明にもある程度の時間が必要な場合があります。

そこで、この時間を最大限に有効活用したいと考えます。

そのために、御来院いただく方に診察の進め方を
御理解いただきたいと思っております。

1. 最初に、状態の確認をします。

 夜間の睡眠、食欲、最近の気分などをお尋ねします。

2. 次に、お話になりたいことやご相談
 (=これらをひっくるめて、「議題」と呼びましょう)がある場合は、
 議題が何点あるのかを、まず教えて下さい。

 例:「今日は、3点相談したいと思います。」

3. そして、ここが肝心なのですが、
  一番大切な問題から、お話しください。

4. 時間に余裕があれば、残りのご相談にも
  取り組んで行きます。

5. 特に議題がなければ、私の方から必要に応じて
  診察を進めていきます。

こうすれば、最大限皆様に貢献出来るかと考えます。

一番相談したいことは、実は一番話すのにためらわれる
問題である場合があります。
なかなか切り出しにくいものです。

しかし、残り時間が少ないところで最大の議題を解決するのは
非常に困難です。

ですから、御自分のために、お困りのことであればあるほど、
診察の始めにお話し下さい。

こうすれば、診察をより有効に活用出来ます。

次回の診察までに、時間はたっぷりありますから、その間に
何を診察時に話すかを簡単で結構ですからまとめる練習を
していただくことをお勧めします。

この努力を払うことは、治療上も非常に役立ちます。

・頭の中の整理整頓になる

・優先順位をつける練習になる

・要領よく自分の言いたいことを伝えるトレーニングになる

・自分をアピールする力を養う練習になる

いざ診察の時に、何を話せばいいのか忘れるのが心配な方は、
メモにキーワードだけでも箇条書きにされて持参すれば、安心です。
携帯にメモ書きされている方もいらっしゃいます。

出来るところから、始めましょう。
あまり難しく考えずに、気軽に取り組んでください。

普通に受診されてもよろしいです。
ライブ感覚の、出たとこ勝負の診察のほうが、
むしろ私の性にあっているかもしれません。

こういう作業が、全く無理な状態の方も
いらっしゃいます。
この話は義務ではありませんので、
どうぞご安心ください。

ただ、こうした工夫が出来れば
診察がより一層充実したものとなるでしょう。
あなたが失うものは、何もありません。

ある程度の分量がある場合は、私が先に全部お見せいただくこともあります。
そのほうが、口頭で述べるよりも短時間で情報が伝わります。
汚い字でも、構いません。
私のカルテよりは、綺麗だと思います。

臨機応変に診察の流れも変更は致しますが、大まかな治療構造を
まず御理解ください。

他の医療機関に受診されている方にとっても、
受診の際のご参考になれば幸いです。

日本の医療を改善するために、私たち一人一人の工夫と努力が必要です。
ハイ、こんな私で、こんなアナタから、始めてゆけるのです。
画期的な大発明を待たなくても、出来ることはある、ツーわけです。

どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
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by shin710Y | 2010-04-24 19:07 | 診察風景

いかがわしい場所ではありません

メンタルクリニックへ行く。

何か、うしろめたい想いがある方もいらっしゃるのでは
ないでしょうか。

何で、そんな場所に行くの。
もっと、しっかりしなきゃ。

世間の皆様にも、色々なご意見があろうかと思います。

ビルの片隅で診療している私自身は、こう考えています。

メンタルクリニックにご興味がわかない方は、
その方の考え方を尊重します。

それと同時に、私自身はこの仕事に
誇りを持っています。

後ろ向きなことをしているわけでもなければ、
意味のないことをしているわけでもありません。

ただのビジネスとしてやっているつもりもありません。

お一人お一人の心の健康を増進させるために、
この仕事をしています。

それが、この仕事の目的です。

さて、お陰さまで医師になって20年、開業してもうじき約6年、
精神科医のはしくれとしてそれなりに臨床経験を
積ませていただいてきて、段々とわかってきたことが
あります。

このような市街地のメンタルクリニックを訪れるような方々は、
うつ病やその類縁疾患、不安障害を患っている場合が多いのですが、
回復してゆく概ねのプロセスというものがあります。

全ての方に当てはまるわけではありませんが、
簡単にまとめてみます。

ステージ1:
意識的・無意識的に気持ちを抑えて、それなりに過ごせている時期。

この段階では、まだ明らかな破綻はなく、何とか日常が回っています。


ステージ2:
気持ちを抑え切れなくなって、心や体調が破綻した時期。

ここに至って受診され、治療が開始します。

ほとんどの方が、まだ頑張れていたステージ1に戻ることが、
治療の目標だと考えます。


ステージ3:
一進一退の時期。

気をつけていれば頑張れたり、調子のいい時があるのですが、
よし、もう大丈夫かなと思っていると具合が悪くなったり、
予期せぬ出来事に対処し損ねたりして、安定した状態が続きません。

しかし、長い目で見ると少しずつであっても着実に前進が見られます。
時々振り返ってみることが大切です。


ステージ4:
古い自分の殻を破って、新しい自分に一歩前進したレベル。

理性と感情の衝突が起きにくくなり、
「心配はあるけど、まあ何とかなるか」と少し気楽に
考えられるようになります。

「何だか、病気になる前より元気になった気がします」
などと、感想を言われます。


回復とは、以前の頑張っていた自分に戻ることだろうと
みなさん想像されるのですが、本当の回復とは、
自分らしさを取り戻すことです。

病気になる前の自分は、どこか無理をしていて
背伸びをしていたのです。

そして、自分らしさを取り戻したほうが、
案外と生産性が上がります。

ここまで来るのが、私の考える治療目標です。

でも、ステージ2や3では何度となく不安になって
しまうものです。

自分は、本当によくなるんだろうか?
大丈夫なのかな・・・?

そんな時に、道先案内人がいたら安心だと
思いませんか。

そこで、病院や診療所の心療内科や精神科が
皆様のお手伝いをさせていただいているわけです。

当院では、不肖・私がインストラクターを勤めて
おります。

不安になりがちな、ステージ3を乗り切るためには
冬から春が来る自然界の動きが参考になります。

今日は4月1日。ここ岡山でも桜が大分咲きました。

春が来たのです。

ここで、今年の2月下旬から3月、そして今日までの
気象を思い起こしてみてください。

2月下旬は、まるで4月のような陽気がさしていました。
当クリニックでも、午後にクーラーをつけた日がありました。

それが、3月になってこの冬初めての雪。

その後も、お彼岸を過ぎてもなかなか温まらない。
しまいかけた暖房器具に再び活躍してもらいました。

いわゆる三寒四温ですが、今年は
四寒三温くらいだったでしょうか。

いつになったら、暖かくなるんだろう?

それでも、春は来るわけです。

回復のプロセスを登っていって下さった方々には
本当に感謝している次第です。
時々、一緒に迷子になったこともあったわけですが、
よくぞ諦めずに進んでくださった。

なかなか、こういうプロセスに一人で立ち向かって
いくことは大変です。

一人で自立して、問題を解決するという気概も大切ですが、
困った時は人に助けを求めることも大切です。
バランス感覚を磨いてゆきましょう。

一流のスポーツ選手にもコーチがいます。
大会社の経営者だって、メンター(心の師匠)がいます。

彼らは、自分の限界を知っているのです。

そういうわけで・・・

本日の結論:

「当院では変な呼び込みは一切しておりませんので、
まああまり難しく考えずに、ブラッとお越しになるのも
いいかもしれませんよ」

最後は、やっぱりハズしてしまったようです。
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by shin710Y | 2010-04-01 21:47 | クリニックの様子