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究極の認知療法

認知療法は、精神療法の一種です。
ここでいう「認知」とは、ものの受け取り方のことです。

薬物療法のみで治療するより、認知療法を行ったほうが
うつ病の再発率が下がります。

私自身は認知療法の体系的なトレーニングを受けたわけでは
ありませんが、認知療法の講習会は大きな学会に行けば
いつも大人気で、その末席を濁す形で参加するなどして
それなりに勉強はしております。

きっちりと時間を取った認知療法を実施出来なくても、
短時間でもポイントを絞って認知療法的な精神療法を
心掛けることは可能です。

ある出来事や状況に対して
ある感情(例えば、悲しみ、不安、怒りなど)が湧いてきます。
その時、自分は何を考えていたか(→ その時の思考)を
振り返ります。

例えば、物事を「全か無か」で捉えていないか、
などということを検討します。

当面は、これ位のことをします。

実は、このようなことは改めて「さあ、今から認知療法を
行います」といった感じで診察しなくても、実際には
普段の診療の中身がこのような構造になっている場合が
多いです。

相手の方の様子や反応を見ながら、あまり踏み込まずに
いることもあります。

無理をしないことも大切です。

認知療法に関する書籍やネット情報はたくさんありますので、
もし余裕があれば、ご自分の相性に合ったものを探されて、
認知療法に取り組まれることをお勧めします。

僭越ながら、この一連のブログも、皆様の認知に
多少なりとも貢献出来ればと思って書き連ねて来ました。

認知療法がさらに進めば、
出来事や自分を取り巻く状況、環境に対して
マイナス面ばかり見るのではなく、プラスの面も
あることを見つけて、マイナスとプラスの両面を
バランス良くみてゆくようにします。

つまり、認知療法とは無理やりにでもプラス思考に徹底して、
マイナス面を何が何でも消し去るトレーニングだというわけでは
ありません。

それよりも、自分が実際にどう感じて、その時に何を考えていたのかを
眺めることが大切です。
正解かどうかが大切なのではありません。

私の考えでは、認知療法のエッセンスは、
物事や自分の思考についての良し悪しを判定したり、
無理矢理にでもプラス思考をするように
自分をコントロールすることにあるのではなく、

あるがままの自分を単に観察するという
態度や能力を養ってゆくことにあると思っています。

これは、マインドフルネス瞑想にそのままつながってゆきます。

と思いますので、瞑想の話しも適宜ご紹介しています。


さて、ここからが今回の本題です。

ものごとをバランス良く観察する。

マイナスなことに、どのようなプラスを加えるのか。

かつて、「ストレス」という言葉を世に広めたセリエ博士に
日本人の学者がストレスに対処する一番良い方法を
尋ねたそうです。

セリエ博士は答えて曰く、
「それは、あなたがた東洋人が日頃大切にしていることですよ」

(すみません。何かの資料を見た時のうろ覚えですから、
 不正確なところがあると思います。)

それって、何なのですか?

「それは、感謝の気持ちをもつことです」

ハイ。

究極のストレス対策とは、感謝なのでした。

感謝の気持ちを持つ。

あまりにも大切なことですので、あちこちで繰り返し繰り返し
感謝の重要性が唱えられています。

あまりにもよく耳にする概念ですので、
「その話しは、もう知ってます」という気分になることも
あるでしょう。

下手をすると、「その話しは、もう結構です」という
ことにもなります。

ですが、やはり感謝は大切です。

本当に落ち込んでいて、頭では感謝すべきだと分かっていても、
それでもどうしても苦しくてそんなことは考えられない時も
あります。

ですので、いきなり全力で取り組まなくてもよろしいのではないかと
思っています。

ちょっと無理する程度の取り組みで十分です。

ちょっとの無理をすることに慣れたら、
それはすでに無理をする必要のない状態にまで自分を
レベルアップさせることが出来たことを意味しますので、
新たにまたちょっと無理をする取り組みを行いましょう。

ただ、どうしても全く感謝の気持ちをもてない時は、
そんな自分を責めずに自分を許してあげてください。
よほど疲れているのです。

何故こんなに疲れているのかと、理由を探さなくてもいいです。
疲れがとれてきたら、理由が分かってくることもあるでしょう。

認知療法とは、あるがままの自分を観察することでしたね。
自分を裁く道具ではありません。

もし疲れきっているのなら、その事実を受け入れましょう。
自分に正直になりましょう。

ものごとには順番があります。
計画性なしにやみくもに突っ走ろうとすること、
それが「焦り」です。

焦らずに、急ぐのです。
つまり、まず計画を立てるのです。

回復の順番を作ります。
たとえば・・・

ステップ1: 
 十分に休息します。
 溜め込んだ疲れや、もって行き場のなかった感情を
 開放してゆきます。     

ステップ2: 
 様子を見ながら頭と体を慣らしてゆきます。

ステップ3: 
 小テストを繰り返して、十分動けるようになったことを
 確認して、取り組みを強化します。

感謝の行も、次第に荒行の様子を帯びてきます。
感謝出来そうにもないことを、感謝してゆくわけですから。
壮絶な行とも言えるでしょう。

今回はこれ位にして、またの機会に譲りたいと思います。

ブログって、自分の考えていることを一度にたくさんの方に
発信できるので、本当にいいですね。
私が寝ている間にも、読んでくださる方がいらっしゃるわけで、
寝ながらにして仕事をしてくれているわけです。
こういうのって、私は好きです。

最後までご覧いただき、誠に有難うございました。
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by shin710Y | 2011-09-21 12:54 | こころの健康